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読書記録:リュドミラ・ウリツカヤ『陽気なお葬式』

陽気なお葬式_convert_20160605083812

2016年6月5日(日)

本日は、息子の誕生日祝いで、早朝から


アンパンマンこどもミュージアム〜


…に出かける予定でしたが、

息子の風邪が治らず、延期することに(>_<)

お母さんが休みなさいって言ってるのに、言うこと聞かないで暴れてるから、風邪が治らないんだろっ

と朝から説教してみたものの、それだけじゃないことも分かっているので、あまり叱らず。

とりあえず、近所でケーキを買ってきて、お祝いだけすることにします。

   *   *   *   *   *

さてさて。

「新しい本は(あまり)読まない」と言っているくせに、つい買ってしまった、この1冊をご紹介。

リュドミラ・ウリツカヤ『陽気なお葬式』 新潮クレスト・ブックス、2016年、1800円

いえね、
諸般の事情で、最後にもう1回だけ役者をやろうかなと思っておりまして、
これまた諸般の事情で、脚本・演出を兼ねることになりそうでして、

できるかな〜

ていうか、

できる気がしないな〜(笑)



あ、寝たきりの役を演れば、いんじゃね


なんて超安直なことを考えていたときに、ふと本書の広告が目に入ったんですね。

しかも、感動的なエンディングのネタを絶賛大募集中なもんですから、

亡命ロシア人画家アーリクの最期の贈り物とは——
不思議な祝祭感と幸福感に包まれる中編小説

という売り文句を読んで、「一石二鳥」と思っちゃったんですよね〜f^_^;)

       *   *   *

舞台は1991年、猛暑のニューヨーク。

主人公は、亡命ロシア系ユダヤ人で画家のアーリク。
一時はブレークしたこともありましたが、この頃は絵もあまり売れず、アパートの家賃も滞納しがち。
その彼が、あるとき筋萎縮性側索硬化症(と思しき病気)に襲われて手足の自由を失い、
今はボロアパートの一室で、遠からず訪れる死を待つ身となっています。

物語は、彼と彼のベッドを(文字どおり)取り囲んでいる歴代の恋人たちとのエピソードを中心に進みます。
彼と彼女たちが、どのように出会い、愛し合い、なぜ今ここにいるのか。

そして、その背後に描かれるのは、
ロシア系移住民、ユダヤ系移住民、黒人、ラテンアメリカン、その他の多種多様な人々の生きる姿。

そうそう、途中で挿入されるペレストロイカの行き詰まりと軍事クーデターも、本作の大事なモチーフの1つです。

遭遇があり、別離があり、
愛があり、憎しみがあり、
祖国があり、脱出があり、
やがて、
アーリクの死そして葬儀へと、物語は辿り着きます。

       *   *   *

人生とは、
痛みや苦しみと向き合い、
それらを積み上げていくものであり、

そうした堆積物に強く規定されながら、
今を生きていくほかはない…。

そんな厳しくも真摯な人間の「生」を祝福するかのような視線が、
本作品には溢れています。

なんて言いますかね〜、
「ロシアつながり」っていう狭〜い連想だとは思うんですが、
私は『アンナ・カレーニナ』を思い出しました。

一方のレーヴィンは、
厳しくも豊かなロシアの大地への称賛と、
そこに生きる人間の歓喜を高らかに謳い上げましたが、

他方のアーリク(と彼が遺した女たち)もまた、
混沌たるニューヨークで、
生きる喜びを力強く謳っているように思いました。

言うなれば、

生の蠢(うごめ)き

かな。

   *   *   *   *   *

そんなわけで、けっこう読ませる小説でした…

が、それで、ネタの件、どうにかなったのか(=パクれるのか)というと、う〜ん、期待したのとは、ちょっと違ってましたf^_^;)

冒頭の「最期の贈り物」とか「祝祭感と幸福感」から、私は勝手に「ささやかで日常的な奇跡」によって人々に一種の「恩寵」が与えられるような、静謐ながらも劇的なクライマックスを期待していたんですが——ま、そうと言えなくもないでしょうが——、アイデアとしては平凡というか、ちょっともの足りなかったかな。

それでも、人間を捉える彼女のセンスは、とても魅力的。
私は、リュドミラ・ウリツカヤという作家をまったく知りませんでしたが、他にも同じくクレスト・ブックスで翻訳が出ているので、読んでみたいなぁと思いました。

あ、でも、できれば文庫本化してくれないかな〜。

いや、値段というよりはね、



こんなこと言っちゃ何なんですけど…、



やめとこっかな〜、

ええいっ、

クレスト・ブックスの<製本>が嫌いっ


…あ〜あ、言っちゃった。

でもね、仮フランス装なんて、中途半端なばっかりで、オシャレだとはぜんぜん思わないし、
何より嫌なのは、天のアンカット。

「天のアンカット」っていうのは、(本来は、印刷した本文を折ってできた袋状の部分を切っていない(=だから、ペーパーナイフで切りながら読む)ものなんですが、ここでは)本の上側をきれいに断裁せずに、わざとデコボコを残すこと。
これが、昔の本みたいで趣があるとか何とか言うんですけど…、

溝の部分にホコリがたまって、掃除しにくいったらありゃしない(T_T)
(それに、光に当たる面が大きくなるわけだから、きれいに断裁してある本と比べて日焼けが目立つとも思うんですけどね)

クレスト・ブックスは、ラインナップが素晴らしいので、つい買いたくなるんですが、書店で棚から取り出したときの感触で、「やっぱ、やめとこ」って思っちゃうんですよ。

たぶん、少数派の意見だと思いますが。



あ、なんか、変な終わり方しちゃった


え〜と、

作品は素晴らしいですよ〜。

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