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整理と解説:彼理坂異譚 その5

2014年9月1日(月)

すみません(と謝りつつ、とくに期待はされてないと思いますが)、書きかけになってた第2場以降の「整理と解説」です。
いいかげん、終わらせないと

いつものことですが、長くてすみません(先に謝っときますm(_ _)m)。

     *   *   *   *   *

第2場 芸妓置屋、伊勢佐木町
下手・前に座敷。「タタタタッ」という声とともに、奥から着物姿のマツ(鳥羽まなみさん)。
遊郭街にあるマツの店先。

何かから逃げるように横浜へ流れてきた野口は、マツのヒモとなり、この置屋に居候する。
野口の作詞した童謡がようやく児童向け雑誌に掲載され、喜ぶ野口とマツ。
プレゼントの一つも買ってこない野口に悪態をつくマツだが、そんなダメ男を愛してしまうのがマツの性(さが)か。野口が踊りながら新作を披露すると、その滑稽さに笑いこけながらも合いを入れるマツ。それは、いわばマツの思い描く理想の世界であり、こんな毎日が続けばいいという願望。自分が輝いていた芸者時代を思い出すように、想い人と歌や踊りを楽しむことは、マツにとって至福のひとときである。

そこへ、キミが帰ってくる。赤いワンピース。
手には客からもらったというシャボン玉液の容器。
シャボン玉は、野口に夭折した娘を思い起こさせる。

横浜グランドホテルの花火がシャボン玉を色とりどりに染める。
港からの潮風が、キミを海の彼方へと誘う。

もしも、あの船に乗れたなら
もしも、この海を渡れたなら、
私、何だってするわ。


第3場 雑踏、中華街
マツに内緒で中華街をデートする野口とキミ。

キミは身の上や、アメリカへの夢や憧れ語る。私生児として生まれ、母の再婚のため祖父の手でアメリカ人宣教師の養女となり、宣教師夫婦の帰国に伴い渡米するはずが、結核を患ったため東京の孤児院に置き去りにされたこと。母は自分がアメリカで幸せに暮らしていると信じているため、母をがっかりさせないために今の自分を見せずに渡米して本当に幸せになるのだ…などなど。

対する野口は、キミのなかに夭折した長女の姿を求め、同時に、若く生気に満ちたキミに大人の女性としての魅力も感じている。野口は多くの日本人移民がアメリカで肉体労働(鉄道建設など)に従事し、貧しく苦しい生活を送っていることを教え、渡米を思いとどまらせようとする。
しかし、野口の男としての欲望を見透かしているキミは、野口を誘惑し、自分のパトロンにしようとする。あっさり堕ちた野口は、キミに「赤い靴」を贈る。

第4場 芸妓置屋、伊勢佐木町2
プレゼントは直ちにマツの知れるところとなり、問い詰められる野口。
野口はキミの身請けを申し出るが、その資金は離縁した妻に譲ったはずの田畑を売ってつくろうというもの。あまりの考えの甘さと常識のなさに呆れるマツ。挙げ句には、キミを養女ではなく妻に迎えると言い出し、マツの怒りは頂点に。

別離を察し、絶望するマツ。

業だねえ、報いだねえ。…は~あ、おしまい」。

その言葉と同時に、舞台は真っ赤に燃え上がる。それは20年前の光景。男に捨てられたマツが店に火を放ち、他の芸子ともども焼け死んだときの記憶。地獄に墜ちたマツは、それ以来、ダメな男を愛しては捨てられ、業火に身を焼くという無限の罰を受けるのであった。

そこへ、煙に巻かれたキミが野口の腕に倒れ込んでくる。
マツの怨念はキミを許さず、キミの肺は黒い煙で満たされ、吐き出しても吐き出しても消えることがない。彼女の胸の患いの正体は、「結核」ではなく火事で煙に巻かれ窒息死した記憶。キミもまた20年前、パトロンを求めて女将の男に手を出し、火事に巻き込まれて死んだのであった。ここにいるのは、船の切符を買ってくれる男を探して、煙を吐きながら波止場を彷徨い続けるキミの亡霊。

野口を呪い殺そうと思いつつも、情の深さゆえ愛を捨てられないマツ。

ねえ、あたしのほうがいい女だろ。あたしのほうが気持ちよかったって、言っておくれよ」。

腕にすがりつくマツを、無情に振り払う野口。
 そんなマツを蔑み笑うように、野口の喉笛にしゃぶりつくキミ。

私、先生のこと好きよ」。

キミの虜となり、貪られるがままの野口。

 「あんたなんか、その女に呪い殺されればいい!」。

もだえ苦しみながら炎に身を躍らせるマツ。

第5場 埠頭、大桟橋
 マツの身を焼いた煙がキミの肺を満たしたかのように、激しく咳き込むキミ。
そこへ蒸気船の汽笛が響く。

ああ、船が出ちゃう! 先生、埠頭へ連れてって! 早く!

舞台は埠頭へ。
語られるキミの真実。彼女は宣教師の養女になどなったことはない。すべては祖父がキミを孤児院へ入れて娘(キミの母)を再婚させるためについた嘘。キミは最初から孤児院へ入れられ、そして逃げ出してきたのであった。

私、シャボン玉になりたい。シャボン玉になって、あの海を渡りたい…
私、アメリカで幸せにならなくっちゃ。
だって、そうでなきゃ、お母さんが可哀想でしょ。


そう言いながら、野口の腕の中で息を引き取るキミ。
キミを抱き締める野口。
キミの体はシャボン玉になり、空へと舞い上がる。

突然の強風。

待って、待ってくれ。
風よ、風よ。
もっとやさしく、もっとやらわかく吹いておくれ。
私のシャボン玉を、あの海の彼方の国へと運んでおくれ…。



終幕。

     *   *   *   *   *

ああ、なんか、思い出しちゃいました。
いい舞台だったなぁ。
いい役者さんだったし。

でも、何が悔しいって、私、上手の袖でスモークマシン(奥)とバブルマシン(前)を交互に操作してまして、本番をまったく観られなかったんですよね。

ああ、観たかった。ホント、がっかりですよ。


いつか、再演できないかなぁ…なんて。
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