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おすすめ絵本29:金のさかな

金のさかな

2012年9月23日(日)

昨日の続き。

さて、グリーンシアターを出た私は、山手線に乗って一路、恵比寿へ。

16:30過ぎに到着。まず目的の店の前まで行って場所を確認すると(方向音痴なもので)、時間があるので駅前に戻ってカフェ・ド・クリエでコーヒーを一杯。

ちょっと仕事をやろうかとPCを開いたところで、

あ、今週の「おすすめ絵本」、まだupしてなかった

と気づき、書きかけの原稿に手を入れ始めて…

     *   *   *   *   *

というわけで、閑話休題(?)、今週のおすすめ絵本はこちら。

◯114金のさかな作/アレクサンドル・プーシキン 訳/松谷さやか 絵/ワレーリー・ワシーリエフ、2003年11月、偕成社、1400円

<あらすじ>

青い海のほとりに
おじいさんと おばあさん
すんでいた。
ふたりは 古ぼけた 土小屋で
33年のあいだ くらしていた。
おじいさんは あみで さかなをとり、
おばあさんは 糸をつむいだ。

   *   *   *

ある日、おじいさんが海で網を投げると、金のさかながかかりました。
すると、金のさかなは頼みました。

おじいさん、私を海へ帰して!
そのかわり、お望みのものを差し上げます。


おじいさんは驚きましたが、やさしく答えました。

たっしゃでな、金のさかなよ!
おれいなんて いるもんか。
青い海へ帰って
大海原で泳ぎまわるんだね。


うちに帰って、おばあさんにその話をすると、

おまえさんは、なんて間抜けなんだい!
せめて、洗濯桶でも もらってくりゃいいのに。
うちのは、もう壊れちまってるじゃないか。


そこで、おじいさんは海へ行って金のさかなに頼みます。

助けておくれ、さかなの女王さま!
うちのばあさんが、新しい洗濯桶がほしいというんだよ。


おじいさんが うちへ帰ると、新しい洗濯桶が。
しかし、おばあさんは、まえよりひどく どなりちらします。

おまえさんは、なんて間抜けなんだい!
桶なんか 頼むなんて!
お百姓の家がほしいと、頼んでおいて。


おじいさんは、また海へ出かけます。

心配はいりませんよ。さあ、うちへお帰りなさい。

お百姓の家は手に入りましたが、おばあさんの注文は止まりません。

私は、身分の高い、貴族になりたいんだ。

私は、勝手気ままな、女王になりたいんだ。

そして、とうとう いいました。

私は、海の君主になりたい。
広々とした海で暮らし、
金のさかなを家来にして
使い走りをさせたいんだ。

おじいさんが 金のさかなに伝えると、
金のさかなは 何も言わず、 
ぴしゃっと しっぽで水をはねると、
深い海の底へ 姿を消しました。

おじいさんが うちに戻ると
もとの土小屋が建っていて、
戸口には おばあさんが 腰をおろし、
その前には、壊れた洗濯桶があったそうな。

<感想など>

プーシキンは19世紀初期に活躍したロシアの詩人・作家です。
文学に口語を取り入れ、平易・簡潔な文章で国民に親しめる文学作品を多数生み出し、ロシア近代文学の父と呼ばれました。
近年(でもないか)では、代表作の一つ『エヴゲーニー・オネーギン』が『オネーギンの恋文』として映画化されています。

近代日本でも、言文一致運動から口語体の文学が生まれてくるわけですが、そういえば二葉亭四迷はロシア文学、とくにツルゲーネフの影響を強く受けていますし、ツルゲーネフはプーシキンの影響を強く受けている、と考えると、プーシキンは日本文学にも多大な影響を与えた、といってよいでしょう。

そのわりには、日本ではあまりメジャーではないようにも思いますが、私がフォローしていないだけかもしれません。

   *   *   *

さて、訳者の「あとがき」から、いくつかご紹介。

本作品の原題は『漁師と魚の話』、1833年に詩の形式で書かれたものだそうです。

プーシキンは、詩や散文作品の他に民間伝承も研究しており、このような詩の形式による民話(おとぎ話なども)をスカースカと呼ぶそうです。

この作品は、国民的によく知られた作品で、最後の一節からの引用「壊れた桶のそばにいる」という言い回しは、日本語でいう「元の木阿弥」という意味のことわざにもなっているそうです。

なお、プーシキンは、この作品をグリム童話を参考にしているそうで、へえ〜と思って調べたら、たしかにありました。
グリム初版1
こちらでは、『漁師とおかみさんの話』となっており、金のさかなではなくヒラメで、このヒラメは魔法で魚にされてしまった王子様、という設定です。

これに、プーシキンがロシアの伝統文化や伝承文学を反映させて、新たなロシア文学作品を生み出した、ということなのでしょうね。

最後に一つ。
本作品の絵は、ワシーリー・ワシーリエフという画家によるもので、本作のために書き下ろしたそうです。
色彩も鮮やかで、登場人物のしぐさにあちらの文化・様式なども垣間みられ、また「目」が特徴的です。
お話を知っている人でも、見て楽しめる作品です。

     *   *   *   *   *

…で、私は恵比寿へ何をしに行ったかという話は、また明日(たぶん)

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