2016年1月9日(土)
昨年末からの続きです。
健康診断で「超貧血だから、すぐに胃カメラ飲んでこい」って言われ、紹介状までもらって胃の検査をしたけど悪性のものはなく、じゃ今度はと大腸の検査。
昨日、会社を休んで行ってきました。
噂には聞いてましたけど、いや〜、大腸カメラは胃カメラより辛かった
(>_<;) * * *
第1ステップ:前日検査食を買わなかった代わりに、「つるつるしたもの」を食べろと言われ、一昨日は昼も夜もインスタントのカップうどん。
昼食では「どん兵衛(Lサイズ)」を食べ、夕方は18時頃に会議室に入り込んで「どん兵衛年明けうどん(Mサイズ)」を食べました。
年明けうどんには、梅干しが入ってるんですね。
どん兵衛を食べたのは、もう何年ぶりかって感じですが、私が知らない間にいろいろ工夫してるんだなぁと感心しました。
以降、口にするのは水or白湯。
で、21時には下剤(ピコスルファートナトリウム)を服用。
小さな容器に入った液剤をコップ一杯の水に溶かして飲みます。
23時頃に帰宅。風呂から上がって少しだけ本を読み、(もちろん酒も飲まずに)午前1時には就寝…と、
ゴロゴロゴロ、グギュ〜
下剤って、すごいですね。
もう、強制的っていうか、暴力的っていうか、なすすべなし。
私の体内でどんな化学反応が起こったのか分かりませんが、その後の1時間あまりで間歇的に出し続け、すっかり疲弊してしまった私は、
もう、漏らしてもいい
オレは寝るっ
と、布団に潜り込んだのでした。
* * *
第2ステップ:午前朝、トイレに行きたいけど行けずにモゾモゾしている夢から醒めた私は、トイレへ直行

白湯で空腹をごまかしてからバスで病院へ。
で、ここからが試練
(>_<)下剤を溶かした水2リットルと紙コップを渡され、コップ1杯を10分、2リットルを2時間かけてゆっくり飲むように言われ、案内されたテーブルには、同じような容器を持ったおじいさんやおばあさんやおっさんがぐるり。
袖触れ合うもということで、めいめいの病気自慢やら大腸癌・膵臓癌で亡くなった知人・友人の話に花を咲かせ、紙コップの下剤をちびちびやりつつ「つまみがほし〜やな〜」なんて冗談を言い合う異様な光景。
さすが、人生の先輩方は死との向き合い方にも年季と貫禄が感じられました。
私も、あと20年したら、あれくらい言えるようになるんだろうか(笑)。
そして、モヨオした方から順々にトイレへ。
(汚い話で恐縮ですが)固形分はあらかたウチで出し切っているので、あとは腸壁にへばりついている分を洗い流していくような感じ。
それを繰り返すこと、2時間ですよ。
色がだんだん淡くなって、最終的には小便よりも無色に近づいていくんですが…
前夜からの合計で、もう10回を超えることになるわけで、いぼ痔持ちの私は、もうヒリヒリしちゃって辛いっ
(ToT)結局、2時間半かかって飲み切り、ようやく内視鏡室にたどりついたのは12時を回った頃。
* * *
第3ステップ:午後そこから例のごとく待たされるわけですが、今回は「どんだけ待たせるんだよ〜」なんて怒ってる余裕はありません。
「もう出し切ったかな」と思っても、少しすると「ウォッ」とモヨオしてくるので、トイレへダッシュ。
予兆・前兆もなく熱い流動物が唐突に襲ってくるので、冷や汗ものです。
もういいかな、あと1回くらいかな
なんて思いながら手を拭き拭きトイレから出てきたところで名前を呼ばれ、
ええい、検査中に出ちゃったら出ちゃったで、そのときだっ
と開き直って扉の奥へ。
更衣スペースに入ってシャツ一枚になり、上からは検査衣、下はお尻の側だけ穴の空いたパンツを履きます。
更衣スペースを出ると病歴などの確認をした後、腸の動きを鈍くする注射。
それからベッドへ連れられ、お尻を突き出し、膝を曲げた姿勢で横向きに寝ます。
看護師さんがパンツの穴をガバッと開けて潤滑用のクリームを塗り、続いて先生(今回はかわいい感じ)が登場してお尻の穴に指を突っ込んでクリームを塗り足します。
* * *そして、いよいよ内視鏡、挿入。
先ほどの指が痛かったので、今度も「ウゴッ」とくるかと思ったのですが、注射が効いてきたのか、クリームのおかげか、さほど痛みもなく侵入成功。途中で姿勢を仰向きに変えて、カメラはさらに奥を目指します。
カメラが腸壁にゴツゴツ当たって痛いと言えば痛いのですが、我慢でないほどではありませんし、むしろ「お、ここまで上ってきたのか」と自分で分かるのがおもしろい。
むしろ、管の先から空気と水を出しながら進むので、そっちのほうが苦しい。
ただし、それもどんどん吸い取っていくので、苦しみが続くということはありません。
それより何より、痛みも苦しみも忘れさせてしまうのが、すぐ横にあるモニター画面。
先生がそれを見ながら管を操作するわけですが、それを患者も見ることができます。
柔らかい洞窟の中を進む光景は、さながらSF映画

ずんずん進むカメラには疾走感と躍動感があり、もう目が釘付けっ(笑)。
そして、一番奥までたどりついたところで、
ここが小腸との接続部分です。と、先生のナレーション。
ここから戻りながら、ゆっくり見て行きましょうね。柔らかく光沢のあるベージュ色の壁に、細く鮮やかな毛細血管が伸びやかに広がっています。
ああ…
なんて…
美しい…書いてて笑っちゃいますけど、暗闇に浮かぶ青い地球を見た宇宙飛行士の感動に負けない(たぶん)くらいの神秘的興奮に、私は包まれたのでした。
しかし、よ〜く見ていくと赤い斑点のような箇所がところどころあり、そこは炎症を起こしているのだとのこと。
軽微なものですが、念のため顕微鏡検査に回すべく、鳥の嘴のような器械で組織を切り取ります。
フワッと出血が広がり、そこへ水がかけられ、速やかに吸い取られます。
ホント、異世界で工事をしているみたい。
ポリープもなく、ほぼ健康な大腸だったのですが…
最後に、毒々しい赤色に染まり、痛々しく膨れ上がっている壁面が

そう、
いぼ痔です。
こんなふうになってるんですね。
たしかに、いつ出血してもおかしくない感じ。
* * *13時を回った頃に、内科の診察室へ。
前回お世話になった先生と再会。
結局、貧血の原因になるような出血箇所は見当たらず、癌その他の心配もないとのこと。
ただ、痔がちょっとね。と先生。
はい、そうですね。
自分の目で見て、大腸の美しさといぼ痔の禍々しさとのあまりのギャップに、私もそれがどれほど異常な姿なのかを実感してしまいました。
手術、するかな〜。
ガスが残った腹の張りにいささか苦しみながら帰路についた私は、遅い昼飯の献立を想像しつつ、入院のためのまとまった休みをとる算段を思案していたのでした。
おしまい。