2015年5月5日(火)
本日、嫁さん&子どもたちが帰省先から帰ってきます。
よって私は、昼間に会社でちょこっと仕事をして、夕方に東京駅でお迎え、の予定。
というわけで、出勤前の時間を使って更新です。
* * * * *安倍首相が米国議会の上下両院合同会議で行った演説で、「今国会で〜」云々という話が話題になってるみたいですね。
5月半ばには関連法案を一括提出するつもりだとか。
その件について直接どうこう言うつもりは…そんなにはないんですが(あるのかっ
)、
だったら、せっかくだから、夏にやろうと思っていた企画を前倒しでやっちゃおうかと。
* * *というわけで、
本間宗南 Sellection
「戦争を考える絵本」
Best 3 これまでにも「戦争もの」はいくつか取り上げていますが、今回は
まだ紹介していない作品
日本の歴史的経験としての太平洋戦争を扱ったものではなく、より普遍的に戦争を考える作品
親子で戦争を考える…のは、ちょっと早いかもしれないけど、子どもの心に、種を一つ、植え付けられるよう作品
そして、もちろん、
テキスト、イラストともに洗練されていて魅力的な作品
といった基準で3作品を選んでみました。
* * *ではでは、今週はまず第3位を
じゃん。
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『せかいで いちばん つよい国』デビッド・マッキー/作、なかがわ ちひろ/訳、2005年4月25日、光村教育図書、1500円(The Conquerors, by David McKee, Andersen Press, 2004)
デビッド・マッキーと言えば、ぞうのエルマー。
ぞうのエルマーと言えば、デビッド・マッキー(そりゃ、そうだ)。
というくらい(
)にエルマーが有名ですが、戦争に関する風刺のきいた作品も描いています。
<あらすじ>むかし、大きな国がありました。
大きな国の人々は、自分たちの暮らしほど素晴らしいものはないと信じていました。
この国の兵隊は大変強く、大砲も持っています。
そこで、大きな国の大統領は、
「
われわれが世界を征服すれば、みんながわれわれと同じように、幸せに暮らせるだろう」
と考えて、世界中へ戦争をしに行きました。
他の国の人々は命がけで戦いましたが、最後は戦争に負けて、大きな国に征服されました。
とうとう、まだ征服されていない国は、世界でたった1つになりました。
あんまり小さな国なので、大統領はこれまで放っておいたのです。
しかし、1つだけ残しておくというのも、気持ちの悪いものですね。
そこである日、大統領と兵隊たちは小さな国へ出発しました。
ところが、小さな国に着いた大統領は、驚きました。
なんと、この国には兵隊がいなかったのです。
これでは、戦争ができないではありませんか。
そして、
兵隊たちはお客として家々に迎えられ、
大統領は一番立派なお屋敷をもらって住み始めました。
すると…
<感想など>これで、半分くらい。
一言で言えば、ハードパワー vs. ソフトパワー の戦い。
国際政治・外交分野ではよく言われていることですし、
先頃、中国で各メディアから「ドラえもん警戒令」(
…令じゃないか)が出されたことを見ても、あながち夢想的な話とばかりは言えないと思います。
強さって何だろう。
幸せって何だろう。
人はなぜ、他者を真似たり、他者に従ったりするのだろう。
これは別に、国同士じゃなくても、
会社でも、友人関係でも、家族でも同じですよね。
魅力ある国、
魅力ある文化、
魅力ある社会、
そして、
魅力ある人間…
…になりたいものだなぁ、
と思ったのでした。
* * *ちなみに、
デビット・マッキーには、もう1つ、
『6にんの男たち――なぜ戦争をするのか?』(中村浩三訳、1975年9月、偕成社、1200円)
という作品があって、「戦争もの」としては、むしろこちらのほうが名作の誉れ高いようなのですが、
う〜ん、
どうですかね。
もちろん、名作だとは思いますが、私は、『せかいで〜』のほうが好きですね。
みなさん、よろしければ、2冊とも読んでみてください。
ではでは、また来週(たぶん)。