2013年6月4日(火)
暑かったですね。私は、今日から様子を見つつ衣替え。
とりあえず、半袖シャツ&ネクタイで出勤しましたが、社屋に入ったとたん、ムワッとした熱気と湿気にうんざりしてネクタイを外してしまいました。
これではまるで、通勤電車の冷気から喉元を守るためだけにネクタイをしていったようなものです。
(帰りの電車は、喉が冷えて、風邪をひくのではないかと、ちょっと心配でした)
* * * * *さてさて、本日は久々に本(しかもマンガじゃない)のご紹介。
前野隆司著
『「死ぬのが怖い」とはどういうことか』講談社、2013年1月8日、1500円
実は私、死ぬのって怖くないので(かと言って、死にたいわけじゃありませんが)、本書にもまったく興味がなかったのですが、仕事絡みでやむを得ず読んだところ、…以外に面白かったというか…、自分が死(そして、生)についてどう思っているのかを考えるきっかけになって、すると自分でも予想だにしてなかった自分を見つけてしまい、驚いちゃいました、という話。
* * *本書は、かつて「死ぬのが怖い」と思っていた著者が、諸科学を総合して考え抜いた結果、「死ぬのは怖くない」という結論に達した経験と思索を活かして、いまだ「死ぬのが怖いっ」と思っている読者に「死ぬのは怖くないですよぉ」と教えてくれる本です。
したがって、私には無意味な本であるわけですが、それでも読んでみようと思ったのは、著者と彼の奥さんとの会話に「おやっ」と思ったから…。
* * *特に深い理由もなく、まるで「
夏休みが終わるまでに葉山に行ってみたい」というのと同じくらい軽やかに
「
死ぬまでに一度はエーゲ海に行ってみたい」
という奥さんに、著者は「死ぬのは怖くないの?」と聞きます。
すると、奥さんは答えて…。
「自分が死ぬことよりも、自分が死んだ後で子どもたちが困り果てているのを想像するほうが怖い。」
いやいやいやいやっ! 論点はそこじゃないっ!
自分が死んで何もなくなってしまうことに恐怖を感じないかと聞いてるんだぁ!(ちょっと脚色…本間宗南)
じゃあ、あなたは、子どもたちが困ることなんか、どうでもいいの?!おおおおお、そうでないってば。(原文どおり)
…
あ、私、この奥さんと同じこと考えてる。
このように、人間には、死ぬのが怖い人と、怖くない人がいて、私は著者の奥さんと同様、この「死んだ後は何もなくなってしまう」という哲学的大問題を別に問題とは感じておらず、しかも、悩みに悩んだ末に達観したのではなく、いつか死ぬのはわかっているけど、あまり気にしてない、というわけなのです。
そして本書は、著者の科学的知見を総動員し、帰納的思索によって導き出された、「死ぬのは怖くない」という境地にたどり着くための極意を伝授していくわけでして、
どう? こんなふうに考えれば、怖いくないでしょ。
…まだ、怖い?
じゃあ、こんなふうに考えれば、怖いくないでしょ。
…まだ、怖い?!
だったら、こんなふうに考えれば、…
…ということを、7回繰り返します(=7つのルートを紹介します)。
普通だったら、「くど〜い」「勘弁して〜」となるのですが、その7つのルートというのが、脳科学だの、心理学だの、物理学だの、生物学だの、仏教だのと、ともかく知識の総動員なので、死が怖いかどうかなんて関係なく、その説明がおもしろいのです。
そして、「この著者は、どうしてこんなに頑張って『死ぬのは怖くない』ってことを説明しようとするんだろう」と考えていたら、「私はどうして、『死ぬのが怖い』って思わないんだろう」と不思議に思って、なんとなく自分の死生観っぽいものを見つけ出そうと心の中を覗き始めるわけですが…。
すみません。
いつものごとく、眠くなったので、続きはまた今度
m(_ _)m
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