カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

プロフィール

本間宗南

Author:本間宗南


最新記事


最新コメント


最新トラックバック


月別アーカイブ


カテゴリ


ご来場者


検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

読書記録:尾崎紅葉『金色夜叉』

2016年10月2日(日)

は〜、しんど。
この1週間は、もう仕事に埋没して、ブログを更新する余力がありませんでした(>_<;)

で、
昨日、休日出勤から帰宅すると、息子が風邪気味との知らせ。
今朝、風邪本格化&発熱37度5分(昨夜半は38度5分)。
結果、本日予定されていた家族でのお出かけ&お買い物は中止。

これには娘が大ブーイング(ま、そりゃそうだ)。
そんなわけで、娘と嫁さんでランチ&買い物に出かけ、私は息子の看病かたがた留守番ということに。

それはいいけど、出発までにやり終わらなかった家事が私に回ってくるのは勘弁してほしい(T_T)

   *   *   *   *   *

そんなこんなしている隙間(というか、通勤電車のなかで)読んだ本。

金色夜叉_convert_20161002081853

『金色夜叉』尾崎紅葉著、新潮文庫版、1969年(2004年改版、初出は『読売新聞』1897年1月〜1902年5月連載)

ええ、そうです。
「来年の今月今夜のこの月を〜」で有名な、その『金色夜叉』です。

なんで今さらになって読んでいるのかというと、その「今月今夜の〜」をちょっとパロディに使いたいと思いついちゃって、「はて、原典はどんなのだっけな」とまあ、それを確認するためだけに買ったんですが、そう言えば、ちゃんと読んだことはなかったし、いい機会だから今回は読み通してみよう…と思った次第f^_^;)

そしたら、

結構おもしろいっ

冒頭から格調高き文語体が続くので「うわっ、めんど臭っ」と、まずは思うのですが、何しろリズムがいいので、すぐに慣れて物語に入っていけます。

構成も、主軸はもちろん貫一・お宮の2本柱ですが、それが複々線化、複々々線化と拡張されていくかと思いきや、本筋と交差し、収束していき、また新たに…という具合で、実に上手い。

さらに価値観がシンプルではっきりしていて(今日的にはやや問題があるかもしれませんが)、(何かしら)悪い奴らが悪びれもせず、強い思いと逞しい行動力をもって生きている。

なんて言うか、みんなパワフルなんですよ(笑)。

数十年前の私が早々に放り投げたのも分かる気がしますが、
齢半世紀が近づいてきた現在の私には、とてもおもしろい。

惜しむらくは、紅葉が35歳の若さで亡くなったこともあり、本作が未完であること。
紅葉の遺稿や知人の証言などによれば、腹案があったようではありますが、やはりこの名調子で子細を語ってもらわにゃ、落ち着きませんな〜。

   *   *   *   *   *

さてさて。
朝食後に薬を飲んで寝た息子は、まだ爆睡中。
この隙に自分の昼飯を済ませてしまって、息子にはお粥でも作ってやるかな。

スポンサーサイト

周回遅れの読書記録:井上ひさし『新釈 遠野物語』

新釈遠野物語_convert_20160717140405

2016年7月20日(水)

もう1冊くらい、井上ひさし氏の小説を読んでおこうと思いまして、どれにしようかな…と選んだのが、こちら。

井上ひさし『新釈 遠野物語』 新潮文庫、1980年(初版、筑摩書房、1976年)

岩手県のお隣・山形出身で、若い頃から『遠野物語』に親しんでいた井上氏が、この作品への敬愛と、しかし反逆の精神で書き上げた(と私が勝手に思っている)のが、本書。

ただ、まるっきり勝手な思い込みでもなくて、扇田昭彦氏の「解説」によると、井上氏はこの『遠野物語』に対して「名著であることは間違いない」にしても、「語り」が「活字」に定着されてしまうことによる生命力の喪失や、権力によって民が「収奪」される、あるいは中央によって地方の実りが「召し上げられ」る、といった印象を抱いてしまう…というようなことを語ったとか(あちこち私の想像を含む)。

で、そんな言葉に便乗して書いてしまえば、本書が「逆襲の書」のように感じてしまうんです、私は。

たとえば、「聞き取り」の客観的な記録が、どこかとぼけた「語り」に復元されたり。
たとえば、人間と動物との関係が逆転してしまったり。

動物たちも、物怪たちも、実にしたたかで、人間たちに引けを取らない。
そう、柳田国男の明治から井上ひさしの戦後へと時代が移り、伝承上の生き物たちと人間との関係は、むしろ人間のほうが強くなっている(=非科学的存在は科学的存在の前で立場を弱めている)ことが暗黙の前提とされているように見えるのですが、しかし物語のなかで彼らは負けていない。

人間よりずっと生き生きとしていて、どこか「してやったり」という印象を受けます。

要するに…、
両書ともに、日本の地域社会が育んできた自然と人間との豊かな「緊張含みの共存関係」への深い愛情を共有しながらも、
本家は、著者の歓喜と興奮を抑制し、science としての民俗学の端緒を開く近代合理的精神に貫かれ、
新釈は、ユーモアとナンセンスを武器に、近代的人間中心主義に反旗を翻さんとする。


井上ひさしって、おもしろい人だなぁ。


とはいえ、ここらで一区切りつけて、次に進みたいと思いますm(_ _)m


あ、進むと言っても、新しくはないんですけどねf^_^;)

では、また(^_^)/

周回遅れの読書記録:スティーブン・ミルハウザー『魔法の夜』

魔法の夜_convert_20160703161424

2016年7月5日(火)

「周回遅れ」とタイトルを変えたばかりですが、先日つい買ってしまった新刊を。

「新刊は(あまり)買わない」うえに「特定の著者に(さほど)のめり込まない」私ですが、しかし「出たら買う」的な作家がまったくいないわけではなく、彼もその1人。

スティーブン・ミルハウザー『魔法の夜』 柴田元幸訳、白水社、2016年

原作は1999年の発表なので、新刊とはいえ、新作ではありません。

本書について、柴田氏は「訳者あとがき」に曰く、

1人の人間の物語をたどるよりも、ひとつの共同体全体を鳥瞰し、さまざまな人物の絡みあいと緻密な情景描写を通して小宇宙全体の空気を浮かび上がらせることを得意とする」ミルハウザーのいわば絶好の「入門書

だそうです。

ん〜、まったくそのとおりだと思うんですが、個人的には…当てが外れたような、もの足りないような。

       *   *   *

詩的に美しく、しかし未熟に熱っぽくで、どこか猥雑で禍々しく…、そんな人々と世界が描かれた、たしかにミルハウザー的魅力の一面が詰まった作品なんですが…、

ちょっとですね〜、

月光が地上に振りかけた魔法は、あまりに細やかで密やかで、
ざわめきや波立ちまでもひっそりとさりげなく、
そして溶け入るように収束を迎える…

…というか、わかりやすく言い換えれば、

立ち起こるドラマが秘めやかすぎて起伏に乏しいうえに、
各エピソードの設定や展開が(今日では)わりあい凡庸なので、

ミルハウザー特有の imagination の跳躍みたいなものに欠けるのと、
あの、お鍋からおかゆが溢れ出て止まらなくなるような、
制御を失った熱量の放出みたいな、
そんな、過剰で unhappy なクライマックスがないんですよね。

それから、
なんというか、誰もが予定された夜明けに向かっているところも嫌なんだと思います、私は。
みんな、夜明けを拒むべきだと思うんですよ。
抗って、抗って、それでも抗しきれずに夜明けに押し切られて、 不意に、そして不本意に、The End となってほしいんです、たぶん。

       *   *   *

ちなみに、「訳者あとがき」によると、柴田氏は今後、ミルハウザーの未訳作品を年1点のペースで翻訳していくとの由。

そのリストも載っていて、とってもおもしろそうなんですが…

どーしよっかな〜。

出てすぐ読むか、少し間を空けて読むか。

ま、そのときに悩むことにしましょ。


ではでは

スピリッツ買っちゃいましたf^_^;)

20160704スピリッツ_convert_20160704230224

2016年7月4日(月)

買っちゃいました。
いや〜、四半世紀ぶりですかね〜。

懐かしい。

本日の昼休み、会社近くのコンビニにて購入。

マンガ雑誌なんて買わないんで、ちょっとドキドキしちゃいました(笑)。

ところで、スピリッツの表紙って、こんなんでしたっけ

       *   *   *

で、なんで買ったかっていうと、もちろん、この「ブックinブック」の
(magazine だから、book ってのは違うと思うけど)

「日本国憲法」全文

なかなか粋なことをやるじゃないの、小学館さん。

というわけで、こういうことをやる会社への応援投票をば360円ばかし。

       *   *   *

だって、次の参院選、どう考えたって、争点は憲法9条改正じゃないですか。

でも、某首相も与党「2党」もはぐらかしてるし、マスメディアもヌルい。

当然、世論はまるで盛り上がっていない。

踊らせれば簡単に踊り、
眠らせれば簡単に眠る。


おろか、おろか。

某首相、見切っちゃったんでしょうね、私たちを。

日本国民(そして日本の民主主義)、恃むに能わず。



もう、いいや。どうにでもなれ…

と言って済まないくらい、今回はホントに鍔際だと思うんですけどね。

       *   *   *

なんてこと考えてると、ぐぐ〜っと気分が暗くなるんですが、

このスピリッツ、実に気が利いてるんです。

ともかく、この小冊子を開いてみてください。

連載陣13名の書き下ろしイラスト入りで、

これが、憲法条文と交互に挿入されていて、うわっと広がるんですよ。

憲法に息吹が吹き込まれたような感覚。

ああ、こういう共有の仕方があるんだな、と。

一本とられたっ、て感じです。

MANGAの国の、歴史に残る小冊子。

       *   *   *

ちなみに、本誌のほうを開いてみたんですけど…

知らないマンガばっかりで、ぜんぜん分からない(T_T)

ダメだ、ついていけない…

と思っていたら、

ややっ、見つけましたっ

吉田戦車ホイチョイ・プロダクション

ありがとうっ

つながってる、つながっているよ

現在のスピリッツがどれくらいの年齢層をターゲットにしているのかは知りませんが、

ともかくも、

四半世紀の時を越え、現スピリッツ読者と私は、ホイチョイ戦車でつながってるよ〜\(^o^)/

…こんな嬉しいことはない。(アムロ風)

あ、これが古い

       *   *   *

なんか、グダグダになってきたので、強制終了m(_ _)m

周回遅れの読書記録:井上ひさし『十二人の手紙』

12人の手紙_convert_20160630223658

2016年6月30日(木)

なんか、続けて読みたくなって、
で、あっという間に読んじゃいました。


井上ひさし『十二人の手紙』 中公文庫、1980年(初版、中央公論新社、1976年)

これもまた、実験的短編小説集。

「手紙」という形式をとりながら、あの手この手を使って物語を展開させます。
もちろん、1つとして同じ手法の作品はありません。

制約を課すことによって、逆に小説の可能性を広げる…というのが、無難なまとめ方かなと思いますし、
実際、「なるほど、こういう手があるのか」と関心することしきり、とても勉強になりました。

       *   *   *

で、感想はどうなのよ

ってことなんですけど…、う〜ん

まあまあかな。

読ませどころは、やっぱり仕掛け(趣向)にあって、物語そのものはそんなにおもしろいものでもないので、パラパラパラッと読んで、「なるほどね」と呟いて、それでおしまい、みたいな。

つまらないわけじゃないですけどね。

巻末の「解説」で、かの扇田昭彦氏が絶賛してるんですけど、

え〜、そこまでのキレも鮮やかさもないでしょーよ。

というのが正直な感想。

ただ、最後に扇田氏がカフカの言葉を引きながら井上ひさし氏を評した言葉は、(少なくとも本書収録の作品群を見るかぎり)「なるほど、言い当ててるな」と思いました。

すなわち、

エンタテイメントに傾きつつ、しかし目に見えないところで、井上ひさし氏の作品はいつも深い祈りに傾いている。

たしかに。


さ、次、いってみよ〜
 | ホーム |  » page top